独旅ブログ(どくたびぶろぐ)

女ひとり旅の記録を綴っています。メインは国内一人旅。たまに海外も。

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お伊勢参り(4) お宿編

お伊勢参り第4回はお宿編です。
例によって写真少ないですが…。すみません。

私はだいたい神宮会館に泊まっています。新館はもちろん旧館も清掃が行き届いていてキレイだし、大浴場もあるし、食事も美味しいし、売店にオリジナル商品がいろいろあるし、何より内宮から近いのでとっても便利!お気に入りの宿です。

大浴場の入り口にはお食事編でもご紹介した山村乳業の牛乳自動販売機があるので、風呂上がりの一杯ならぬ風呂上がりの瓶牛乳を飲むのも楽しみの一つです(・∀・)

でも、たまには別のお宿にも泊まってみたいな〜。ということで泊まってみたのがこちら。

麻吉旅館

麻吉旅館は、江戸時代、「五大遊郭」と言われた伊勢の古市にある楼閣旅館。登録有形文化財に指定されていながら現在も宿泊できる貴重な旅館です。

麻吉旅館

私が宿泊したのは2014年11月のこと。
昭和ちっくな建物から現代的な家屋もある閑静な住宅街の一角に、麻吉旅館があります。まるでそこだけ時が止まっているかのよう。その威風堂々とした佇まいに、この街とともに長く生きてきた建物の持つ風格を感じます。

宿に入ると感じのいい女将さんが笑顔で迎えてくれて、お部屋に案内してくださいました。まず、蒲田行進曲の階段落ちシーンに出てくるような、一段一段が横に長くて奥行きの狭い急な階段を下り、現在は使われていないおくどさんの前を通って、今度は横幅も奥行きも狭いこれまた急な階段を下りると泊まるお部屋がありました。

お部屋

私が通されたお部屋は「18番わかばの間」。お部屋の中にバスとトイレ(セパレートタイプ)があり、トイレは洋式なので和式トイレが苦手な方も大丈夫です。寝所の和室は、広くはないけれど1人には十分な広さでした。

女将さんのお話しによると、階層は中2階か1階かよくわからないけれど、江戸時代からあるお部屋とのこと。麻吉は上へ上へと増築していったので、下層にいくほど古いお部屋だそうです。今でもよくわからない構造ってすごいですよね。一度建物すべてを探検してみたいものです。

旅ノートに女将さんのお話を元にした簡単な階層図が描いてあったので、イラストにしてみました。「麻吉全体図?」と書いてしまいましたが、階層図の間違いです。

麻吉階層図

実際はもっと複雑な構造で、このように単純に階層分けできる造りではないようです。

私が宿泊したのは「客間」で、1つ上におくどさんと資料館の入り口、もう1つ上に玄関がありました。

玄関の上にあるロビーには、応接セットと宿泊した有名人のサインが沢山飾ってあります。麻吉の古い写真もあったかな。このロビーにも玄関がありましたので、ここからも出入りできるようです。

そして最上階が大広間。こちらも宿泊可能です。とても広い日本間で、歴史ある調度品の数々に妓楼当時の盛況ぶりが伺えました。

お食事

夕食は玄関のある階の個室に通され、そちらで頂きました。写真がないのが本当に残念ですが、煮魚、煮物、刺身に大あさりにあおさの味噌汁に…とお魚と野菜たっぷりのお献立。素材そのものの旨味を活かした味付けで美味しかったです。

お願いすれば妓楼当時の器でお料理を出してくださるとか。万が一のことがあっては怖すぎるので、私はお願いしませんでしたが。小心者でございます(^-^;)

麻吉の箸袋

夕食の時に頂いた粋な箸袋。今も記念に保管してあります。

翌朝の朝食は、渡り廊下を渡った別館で頂きます。こちらは途中からコンクリ造りだったような…?別館の造りも複雑なようです。ご飯に目玉焼きに焼き魚、あおさのお味噌汁だったかな。ザ・日本の朝食というお献立。これも美味しかったです。

麻吉渡り廊下

本館と別館をつなぐ渡り廊下。 昔はこの廊下を芸妓さんたちがせわしなく行ったり来たりしたのでしょうか。

お風呂

お部屋にもお風呂がありましたが、せっかくなので内風呂に入りました。脱衣所は少し狭くて、同時に使えるのは3人くらいという感じだったかな。でも、お風呂自体は5〜6人入れるくらいの広さがあります。浴槽も広くて深めなので、ゆったりできます。

資料館

宿泊者のみ見学できる資料館があります。見学させて頂きましたが、これがまた非常に複雑な造りで…。

入口は客間の上の階なのですが、中に入るとどんどん下に部屋があります。「えっ、まだ下があるの!?」と戸惑うほど。天井の低い階もありました。

急な階段だけでなく梯子階段もあるので、足腰が弱い方にはちょっとキツイかもしれません。

展示品はどれも貴重なものばかり。食器だったり屏風だったり、よくわからない物だったり、様々な物が展示されています。一見の価値ありです。

総評

最近の新しいホテルと比べてしまうと、設備の全てが微妙です。古いのだから当たり前ですけど。でも、また泊まりたいと思う旅館でした。

その1番の理由は、きっと「おもてなしの心」なんだと思います。清掃は行き届いているし、ちょっとしたところにさりげなくお花が飾ってあったりして、宿泊者への気配りを感じました。宿の方も皆さん愛想よく親切で、あたたかいおもてなしを受けました。

そうそう、宿泊した翌日は朝食前に下宮へ早朝参拝に行ったのですが、出かける際に玄関先で大女将さんと思われる方に偶然お会いしたのです。そうしたら、「お参りに行くの?偉いわねぇ」と褒めてくださって。「え、そんな、お参りに行くだけなのに〜」とちょっと恥ずかしく思いつつも嬉しかったことを今も覚えています。幾つになっても目上の方に褒めて頂けると嬉しいものなのですね。

「また来ます」と言って宿を後にしてから約4年。 再訪は叶わないままですが、いつかまた泊まりたいと思っています。

所在地など

〒三重県伊勢市中之町109番地
TEL:0596-22-4101
web:ないのでじゃらんを貼っておきます。

アクセス

伊勢市駅または宇治山田駅より

浦田町行きのバスに乗車中之町下車徒歩1分

バスの時刻は三重交通HPで調べられます。
三重交通 路線バス

五十鈴川駅より

徒歩15分

麻吉から下宮までのアクセス

徒歩30分ほどのようですが、私はバスで伊勢市駅まで行きました。女将さんも、道がわかりにくいので徒歩はオススメしないと仰っていました。