独旅ブログ(どくたびぶろぐ)

女ひとり旅の記録を綴っています。メインは国内一人旅。たまに海外も。

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17日間の修行in北海道(6)振り返ればエゾシカ

本日は私が(一方的に)心を通わせてしまった、羅臼で出会った牡鹿の写真です。

牡鹿1

出会いは突然に。至近距離での出会いにビビる。

牡鹿2

彼は推定1~2歳のエゾシカ。人間に換算すると10~15歳。まだあどけなさの残る瞳にキュン!

牡鹿3

私の存在など意にも介していないように平気でどんどん近付いて来る。警戒心なさすぎじゃないかい…?

牡鹿4

真っ白なオチリ。鹿は、警戒時にはこのお尻の白い毛をぶわっと逆立てます。

牡鹿5

手を伸ばせば届きそうな場所まで来て寝そべる。

牡鹿6

時折見せる、辺りを窺う素振り。一応人間(私)はあなたのすぐ後ろにいますが…。

牡鹿7

あまりにフツーにそばに来るから、ここを奈良の鹿公園と錯覚しそうになる。鹿せんべいは持っとらんぞ。

牡鹿8

彼は、ふらりと寄ったある場所に一頭でいた。出会った時から警戒心のかけらもなく、私の周りをうろつき草を食んでいた。

羅臼の市街地では日頃から普通にエゾシカが徘徊しているけれど、ここまで近寄ってくるのは初めて。その警戒心のなさに驚きつつも、彼との間に(一方的に)心通じるものを感じた私は、時間の許す限り彼に会いに行った。

彼はいつも私の存在に気づいても逃げることなく、ひたすら草を食み、腹が膨れると私のすぐ近くまで来て寝そべった。

彼が草を踏む音と私がシャッターを切る音、風の音、鳥の声ーそれだけがある世界。穏やかに過ぎる時間は、心身ともに疲弊していた私を癒してくれた。あの時に見た羅臼岳の美しさは格別だった。

行けたのはほんの数回。会えた牡鹿がいつも同じ鹿だったという確証もない。でも、私は同じ鹿だと思っている。

北海道ではエゾシカは個体数調整の対象。つまり駆除対象。羅臼でも毎年定められた期間にエゾシカの駆除が行われている。

増えすぎたエゾシカによる様々な被害はそこに暮らす人達にとって深刻で、放っておいたら自然も守れない状況にあるので、個体数調整は致し方ないことと理解している。

けれど…。

こうして目を見て写真を撮ってしまうと情が湧いてしまう。

彼は今も元気にしているだろうか。無事だと信じたいと思うのは、内地の人間のエゴかもしれないけれど。